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2009年02月25日

農業を担う人材を育てる~木之内農園の取組み

先日、熊本の㈲木之内農園の木之内会長の話を聞く機会がありました。 Very Happy

熊本県南阿蘇村の木之内農園グループの総耕作面積は16ha。イチゴ狩りをはじめとする観光農園(イチゴ180a) m143 、米4.3ha、施設・露地野菜、ジャムやフルーツワイン、餅等の農産物加工・流通、たまご拾い牧場、田植え等の体験農園のほか、新規参入者を対象に研修もおこなっています。

特に近年は、担い手育成に力を入れており、5年前には県内の8件の農家と、担い手育成のためのNPO「阿蘇エコファーマーズセンター」を設立しました。この15年間で430名の研修生を受け入れ、40名を独立させたそうです。それでも1000万円の売り上げがある(家族4人が食べていける)のは、5名しかいないとのこと。

木之内さんは、「これまで日本の農業は、作物は育てても、人を育てることはしてこなかった。技術ばかりではなく、経営や理念を教えていくことが必要だ。特に新規就農した後の人材育成が不足している」と仰っていました。

その「研修システム」について、具体的にお聞きすることができたので紹介したいと思います。

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「阿蘇エコファーマーズセンター」の研修システム

【3日間の農業体験】
研修前に向き不向きを見極める。ここでかなり落とされる。 m002
研修費、1日2000円。

【1ヶ月間の身体慣らし研修】
ここでは、できるだけきつい仕事をみっちりやらせる。 m004

【後判定試験】
NPOの会員たちで審査し、ABCのランク付けをする。 Very Happy
Aなら6万円/月、Bは3万円/月の研修支援金を支払う。 Smile
Cは無支援、ただし自費で研修を続けることはできる。 Sad

【基礎教育】
研修過程の前期5ヶ月。

【応用実践研修】
後期6ヶ月は、何をやるか方向性を決めて研修。

これが前期1年で、ここで終えて就農してもいいし、もう一年、後期研修を続けることもできる。

【仮独立】
会員の農家へ派遣し、その土地を借りて実際に経営をさせる。
例)ハウス1棟6万円/年、機械も6万円/年で自由に使っていい。
肥料など、必要な資材は自費で購入。

【本独立】
1年間自分でやってみて、本独立となる。
その際、就農先の紹介や、土地や資金の橋渡しをする。

実際に独立までの過程が具体的にイメージできそうで、可能性が感じられますね。ここには、北海道から沖縄まで、全国から研修希望者が訪れるそうです。年間60名ほど受け入れますが、最初の体験で20名に減るそうです。さらに最終的に2年間の育成コースに進むのは、5名ほどしか残らないとのこと。やはりなかなか厳しいですね。

現在も、農業を失業者の受け皿に、という動きが盛んですが、そんなに簡単な事ではないと思います。単なる労働力としてではなく、本気で、農業の担い手になってもらうという期待を掛けていくことが、供給側には求められるのだと思います。

以下、木之内農園について、「みんなの農業広場」より引用します。

◆ゼロからの出発、新しい発想で 「新規就農」「これからの農業」を切り開く」◆

動物好きの子供から新規就農へ

 神奈川県で生まれ東京郊外のサラリーマン家庭に育った木之内さんは、幼い頃から動物や動物のエサ作りのための畑作りが好きな、大都市には珍しいタイプの子供だった。農業を志して熊本県内の大学農学部に進学、親元を離れて農業漬けの生活を送った。在学中のいろいろな出会いや体験、南米留学をへて昭和60年3月、大学卒業とともに県内、旧長陽村で就農を志した。


丸ごとブランド構想で農場、地域を活性化

 木之内さんの経営の特色は、生産にとどまらず加工、流通、観光、教育、福祉、環境などの広い視野に立って農園を経営している点だ。農場に来る人が何を望んでいるかをみていると、次に何をするべきかが見えて来るという。「今までお金にならなかったものを工夫します」。それが田植え体験であり、たまご拾い牧場だ。「人と同じことをすると価格競争に陥ってしまう。人と同じことはだめ。今までお金にならなかったものを工夫することが大事。そしてニーズには素早く対応すること」。田植え体験は子供の立場に立って考えた結果、年間70万円をあげる立派な経営の柱となってきた。たまご拾い牧場では、意外なことに一番多いリピーター層は中高年女性だそうだ。

 農園のファンになってもらうことでまた来てもらえ、農産物も売れるようになる。観光や教育を農業にマッチさせることで、経営の幅も広がるということだ。


農業を担う人材を育てる

 木之内さんの元には、農業を始めたい人が若者を中心に多く相談をよせる。実際には、年間希望者60名が農業体験を経ると20名に減り、二年間の「プロ農家育成研修」にこぎつけるのは4,5名という。今まで300名以上を受け入れ、独立したのは31名。平成15年には研修制度を会社から分離して、NPO法人阿蘇エコファーマーズセンターを設立した。

 新規就農者の育成にも木之内さんは力を注ぐ。スタート時点で後継者に比べハンディがある彼らには、自らの強い思いとしばられない自由な考えや発想、消費者の視点を持っている等の強みがある。「技術論だけでこれからの農業はやっていけない。人づくり、経営に力を入れ、ビジネス感覚を磨くことが、これから農業をしていく人に必要なことではないでしょうか」壁さえ乗りこえれば強みが生きてくる、と農業を志す人にエールを送る。

木之内均 ㈲木之内農園 代表取締役
著書:「大地の夢-都会っ子農業に挑む」

(小松)

投稿者 komayu : 2009年02月25日 19:00  

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コメント

農業場面での人材育成を重要性を本気で考えて作っているんだと感じました!
研修制度も、それだけの期待に応えてくれた人たちとは、つながりができていく。
本気のやりとりは、人のつながりをつくっていくものになるんですね。

投稿者 megu : 2009年02月26日 16:27

meguさん、コメントありがとう☆
木之内農園には、年間60名もの研修生がやってくるそうですが、それは過去の実績はもちろんですが、「あそこに行けば何とかしてくれる」という口コミの影響が大きいようです。それだけ本気で取り組み、みんなから信頼されているということなんですね。

私たちの農園にもインターンシップの研修生が何人も来ますが、担い手育成を本気で考えていくべき時期に来ているのではないかと感じています。

投稿者 こまつ : 2009年02月26日 22:02

当然のことですが、利益をしっかり出している企業はしっかりシステム化されてますね☆

そして、農業就農者がいないという問題がこういった形で事業になるのだと可能性を感じました。
まさにみんなに必要とされていることが事業化される先端例ですね。こういうの他にもありそうです!

売りたたかれる野菜をどうする?
あまった農地をどうする?etc

投稿者 オレンジ : 2009年02月27日 00:50

オレンジさん、ありがとうございます。
こんな事例もありました。
「学生耕作隊」“もったいない野菜~いつでもおくっていいよ大作戦”
http://www.socio.gr.jp/ennou/okutteiiyo.html

投稿者 こまつ : 2009年03月02日 22:53

こういう農園が全国にたくさんできれば素晴らしいですね。
まずきつい仕事をガッチリやるところが魅力的です。

投稿者 f : 2009年03月05日 21:48

初めまして。私はネパールで人材派遣会社を致しております玉城和代(たまきかずよ)と申します。
このたびネパール人を研修生として日本の素晴らしい技術を身につけさせるべく、そしてその後ネパールに戻った彼等が、自分達の手でネパールの明るい将来を開いていく為の、お手伝いをさせて頂くことになりました。
是非 木ノ内農園様の 農園 で  ネパールの紹介や現状をご説明させて頂ければ幸甚に存じます。
大変恐縮でございますが、お返事頂きますよう宜しくお願い致します。
エベレスト インターナショナル株式会社
代表取締役 カティワダ ディリラム
専務取締役 玉城 和代

投稿者 カティワダ ディリ ラム : 2009年08月27日 20:43

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