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2008年07月13日

小規模・多品種、地域密着型農業の可能性

◆キューバの半ばオーガニックな農業

キューバの半ばオーガニックな農業がそれなりの成果を実現したのは、科学と技術の賜物であり、それは教育制度によって支えられている、という。

小学校から農業を教育の場面に取り込み、大学に行きたい者はみな大学に行く。それは、有機農業は簡単な仕事ではなく、それを担う人材の育成こそが社会の期待、と捉えているからに他ならない。

キューバは、国有地の3分の2までを協同農場や私営農場に再分配して、割り当てを超えた余剰分を販売できるようにした。

地元の昆虫ウィルス・昆虫病原細菌繁殖センターは、全国280箇所に散らばっており、配置された農学者が、地域の農家や家庭菜園から持ち込まれる問題に指導対処しているという。

「化学薬品を用いるほうが簡単です。」しかし、長い目で見れば、体系全体を考えることが本当の利益を生む。「私たちの仕事は植物が強くなるように環境を整えてやることです。でもそれがうまくいくのです。」まさに正反対の「緑の革命」だ。(「ディープエコノミー:生命を育む経済へ」ビル・マッキベン著 英治出版 P.106より)

関連投稿----------------------------------------
m057 キューバの有機農業に可能性を見た。
m058 外圧に適応し活力再生したキューバ
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◆地元食材運動(ファーマーズマーケット)

[米国のファーマーズマーケット]
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1970年  340
1994年 1700
2002年 3100
2004年 3700
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[地域支援型農業の農場(CSA)]
1985年にマサチューセッツ州で設立されて以来1500以上存在する。
2005年:農家が19%増。小さな新しい栽培者が増えている。

[大学のキャンパス内食堂の地元食材メニュー]
大学は多くの人口を抱えているし、地元食品の裏に隠された環境や地域の目的が理解されやすいので、確実な市場であるという。少なくとも200の大学が地元産の食糧に強い関心を示しているという。

エール大学の13あるキャンパスのひとつであるバークリー校の食堂メニューを、地元の旬の食材に切り替えるための資金を募ったら成功を収め、地元食材によるスローフード・メニューは学生から好評で長蛇の列をなしたという。

エール大学がおのプロジェクトに関する会議を開くと、国中から200人に及ぶ大学構内フードサービス担当者が知識を得ようと集まったというから、ファーストフード文化に毒された米国の新しい潮流が窺える。

しかも、冷凍食品の解凍に手馴れた料理人が、「仕事は難しくなったが、自分達の仕事に誇りを持てるようになった」というのが、食の供給者側の変化として注目に値するといえる。

*日本の神戸生協や大学生協運動の黎明期を髣髴とさせる。

◆米国の農家補助金の実態

・農家補助金支払いの約1/3は、最大規模農場の2%に行く
・約3/4は、規模上位10%の農場に行く
・農場計画で女性されるのは、地理的に集中している作物である
・上院議員のついている小麦、トウモロコシ、綿、ダイズが対象
・実際の利益を得ているのは、農場が材料を届けている巨大食品メーカー
・米国のダイズ価格の7割は政府から直接出ている
・高フルクトース・コーンシロップも同様 
 →米国はスナック菓子に補助金を与えている

◆政策変更の提起

・一切の補助金を撤廃したらどうだろう?
・小規模地元生産者向けに、エネルギー使用量が少なく
 近隣の住民のための作物生産農場に報酬を与えては?
・政府から無償で土地の払い下げを受けている大学の農学部が、
 多額の寄付金を提供する大規模農薬会社の延長機能でしかないが、
 地域の販売計画や低投入型農業に取り組んだらどうなる?
 キューバと同様に明晰な頭脳と活動力をつぎ込んだらどうなる?

*英国の幾つかの地区では、都市計画者が地元の学校やホテルに地元産食糧を購入するように補助金を出している。数年後、そのような町の農家の平均年齢は32歳(英国全体の平均年齢は約55歳)までに下がり、「そこの農場は国内で最も利益率のよい」仕事になった。

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●小規模・多品種、地域密着型農業の可能性

適地適作を世界規模で行うなら、その農作物の移動に要するエネルギー・コストは馬鹿にならないのでは? 
それでも価格競争で勝負できるということは、どうなん? 
見た目は変わらないが、「産―消」の移動時間を考慮した早摘み農産物の栄養価や食味は、どうなん?

それらの問題に対する答えが、「小規模・多品種、地域密着型農業」にあるのではなかろうか?

また、化学肥料や化学農薬の使用は、生産量の増大をもたらしたとはいえ、投入エネルギー量に比した農業生産物のエネルギー量という観点(リンク)では、近代農法の限界性があり、環境汚染などの負荷低減や持続可能な農業を考えれば、有機・自然農法などを射程に入れた多様性にも配慮する必要があろう。

しかし、自然を対象化した農法は、一筋縄ではいかない。でも、だからこそ、その生産過程で自然の摂理を学ぶ機会に充ちているし、達成することで充足する喜びに満ちているともいえる。

しかも、「農」にまつわる追求が正しく評価され、かつ小規模な農業生産者が孤独な戦いに疲弊してしまわない援護射撃が地域の農業支援センターや大学の農学部などで形成されるなら、その成果競争たるファーマーズ・マーケットも活性化するに違いない。

地域社会で必要とする農産物を協同で担うという意味での生産者ネットワークをイメージできれば、各人の創意工夫の分かち合いという紐帯が本流となるのではなかろうか?

そのような意味では、「全小中学校に農園~埼玉県「1学校1農園」構想」)は、新たな第一歩となるように思える。

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参考資料:「ディープエコノミー:生命を育む経済へ」ビル・マッキベン著 英治出版

投稿者 ayabin : 2008年07月13日 22:47

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