2018年09月20日

ヤギとレモンのふるさと

ヤギとレモンのふるさと」:

    ミニヤギ除草でレモン生産や竹林整備も!ヤギで故郷再生 

マイナビ農業からの投稿です。(2018年09月14日)

★はじめに

今回の「新しい農のかたち」は、人と動物が共存し豊かに生きていくというお話です。

さて、動物というと日本ではペット(犬や猫等)の需要が増え、今では、子供の数より多くなってしまいました。

元々家畜は、人の生活に欠かせなかったはず。今回紹介するのは、広島県呉市の「ミニヤギ牧場」のヤギたちとその持ち主であるご夫婦。そして、彼らが地域社会で暖かくむかえられているというほのぼのとした牧場のお話です。

 

それでは、転載開始します。

広島県呉市の下蒲刈島(しもかまがりじま)という小さな島で「広島ミニヤギ牧場」を営み、レモンとミカンを生産している菅原常司(すがはら・つねし)さん(63歳)。58歳の時、勤めていた小学校を早期定年退職して新規就農しました。ミニヤギで農園を除草する他、除草のためのヤギレンタルや、ヤギとの触れ合いによる情操教育も行うなど「ふるさと再生ヤギプロジェクト」に取り組みます。菅原さんに詳しく伺いました。

 

■ミニヤギと共に第二の人生をスタート 

──以前菅原さんは小学校の先生だったそうですが、なぜミニヤギを飼っているのでしょうか。

私が小学校に勤めはじめた頃は、どの小学校でも当たり前のようにさまざまな動物を飼っていました。ヤギを飼っている所も多かったのです。今は飼うとしてもウサギやメダカなどで、ヤギはほとんどいなくなりました。子供たちがヤギと触れ合う機会がなくなってしまったのです。

実は、担任していたクラスに不登校の子がいました。「勉強は楽しいよ」なんて言っても子供は学校には来ません。そこで、自宅で1匹のミニヤギを飼って毎日学校に連れていき、その子にヤギの世話をお願いしたら登校できるようになりました。ヤギは人懐っこくて顔立ちも優しく、子供たちに人気があります。

──ヤギの力は偉大ですね。

最初はメス1頭だったのですが、子供たちが「ヤギの赤ちゃん」に興味を示したので、後から追加でオスを1頭買って繁殖させました。ミニヤギを飼い始めて13年になりますが、今は全部で11頭飼っています。小学校を退職した後は「広島ミニヤギ牧場」を開設し、「ふるさと再生ヤギプロジェクト」の取り組みをはじめました。

 

■「有畜複合農業」で、レモン&ミカンをヤギと育てる 

──「ふるさと再生ヤギプロジェクト」について教えて下さい

現在、ミニヤギと一緒にレモンとミカンを育てる「有畜複合農業」を実践しています。ヤギに雑草や木の下草を食べさせ、糞は肥料として利用する、循環型のオーガニック農業です。

もともと父がミカン農家をしていたのですが、亡くなった後は十分な管理ができなくなり、農地が荒れてしまいました。そこをミニヤギで除草して再生し、農園を復活させました。周囲が竹林ですので、竹もたくさん生えてしまって厄介でした。 

──竹林はどのように整備しているのですか。

レシプロソーという電動ノコギリで竹を切り、竹の稈(かん)は2mぐらいの長さで切りそろえてまとめています。葉はヤギが食べてくれます。竹林整備はとても時間のかかる作業で、高齢者が1人で続けるのは孤独なのですが、ヤギがいると癒やされますし楽しいです。

──お父さまから継いだミカンだけでなく、新たにレモンの栽培もはじめた理由は。

広島県は国産レモン発祥の地です。でも、地元の人ですらそのことをほとんど知りません。そこで、自分もレモン栽培に挑戦したいと考えました。地域にベテランのオーガニックレモン農家さんがいると知り、その方の農園に見学に行ったんです。そこでレモンの木を見て感動し、「オーガニックレモンの栽培法を教えてもらいたい」と相談しました。3年前のことです。

師匠に苗木の植え方などを教えてもらい、再生した農地に約100本のレモンの木を植えて新たに「レモン園」を作りました。師匠には今でも農園に足を運んでいただき、その時季ごとの作業や育て方のコツを聞いています。「コツは教えるが、やらんにゃだめで(やらなきゃだめだよ)!」と言われていますよ。

また、レモンはミカンと違って、10月からグリーンレモン、12月から7月まではイエローレモンと1年に2回収穫する機会があります。その分、収穫期間も長くなり、安定した収入を得られる可能性が高いと考えました。

──レモンとミカン栽培の他にも、「ふるさと再生ヤギプロジェクト」に関する取り組みがありましたら教えてください。

地域の除草のためにヤギをレンタルしたり、ヤギとの触れ合いによる子供たちの情操教育を行ったりしています。アニマルセラピーとして、病院や老人ホームなどにヤギを貸し出すこともあります。

──除草用レンタルもしているのですね。依頼主は、やはり農家さんですか。

農家さんも多いですし、今増えてきているのは電力会社からの依頼です。変電所の敷地内や、ソーラーパネルの下をヤギが除草するのです。人が入れないところでもミニヤギは入れますでしょ。草の生える6~11月は除草用レンタルが忙しくなります。

──ミニヤギにピッタリのお仕事ですね。

「ミニヤギ」は小型のヤギの総称です。私が飼っているのはアルパイン種、トカラヤギやシバヤギなどで、体重は15~40kgと個体差があります。狭い場所の除草には、小さい個体が適しているのではないでしょうか。レンタルの際も運びやすく、子供でも世話ができるなどのメリットもあります。

 

■ヤギとレモンの下蒲刈島”を次世代へ

──育てたレモンとミカンは出荷しているのでしょうか

出荷は地域の直売所に少量だけ、あとは個人への直接販売のみです。それよりも、ヤギとレモンの魅力を多くの人に知ってもらうことが大切だと考え、今年の10月から「体験型観光レモン園」としてお客さまを迎える計画です。ヤギと触れ合いながら、レモン狩りをしたり、剪定(せんてい)をしたり、ミカンを食べたりといった内容です。

先ほど、子供たちの情操教育の話をしましたが、ヤギと触れ合う体験を通して「命のぬくもりを感じる機会」を生み出していきたいと思っています。

──60歳を過ぎて新しいことをはじめるのは苦労も多いと思います。菅原さんの活力の源が知りたいです。 

ミニヤギ牧場に見学に来た子が、アンケート用紙の「あなたのふるさと自慢は何ですか?」という問いに「ヤギ牧場があること」と書いてくれたんです。とてもうれしかったと同時に、次の世代に美しいふるさとの風景や農業をつなげていきたいと強く思うようになりました。それが一番の活力かもしれません。

──ヤギとレモンのふるさと! 楽しくて素敵ですね。

ヤギは無理のない範囲で頭数を維持しながら、より普及させていく活動をしたいと考えています。

広島レモンの魅力も、もっとたくさんの人に伝えたいと思っています。そのために、栽培技術やレモンの良い所をホームページやFacebookで情報発信したり、農園を開放したりしています。

──菅原さんの考える「セカンドライフ」とは。 

残りの人生、セカンドライフは「自分の持ち時間をどう過ごすか」ではないでしょうか。「ふるさと再生ヤギプロジェクト」を始めてから、たくさんの人との出会いがありました。ヤギを通じて素敵な笑顔を見るたび、何より私自身の心が癒やされ、幸せを実感しています。

子供の頃に見るふるさとの風景は、心の奥深くに刻み込まれます。“ヤギとレモンのある下蒲刈島”を次の世代へ継ぐために、これからもヤギと共に歩んでいきたいと思います。

以上転載終了

★最後に

本来、家畜は人間と共に生活をしていました。犬は、狩猟や番犬として、猫はネズミを捕獲させる目的で飼われ始めました。

彼らは、人の傍らで生活に無くてはならない役割を与えられいました。そして、その期待に応えることで、人は彼らを褒め、お互いに喜びを分かち合うといった充足関係にあったと言えるでしょう。

それがいつの頃からか、彼らは愛玩動物としての役割しか持ち得ずそして現在に至っています。

今回紹介した「ミニヤギ牧場」は、元々人と動物が共存し豊かに生きていくという 現在、私たちが忘れてしまった日常の生活の中で、動物たちとの充足感に満ちた関係を思い起こしてくれるお話でした。ミニヤギたちは、この地域の生態系の中に溶け込みながら、地域社会や廻りの人々のために役割を担って働いてくれています。

単に草を食べるという事に特化しているだけの動物なのに・・・・・心が癒やされ(アニマルセラピー)子供達の思い出にも深く影響を及ぼし、この地域のふるさとの風景になっていく。まさに、本来の「動物と共にある農業のかたち」と言えるのではないでしょうか?

「ヤギとレモンのふるさと」

これからも注目していきたいですね。では次回もお楽しみに・・・

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2018年09月06日

これが新しい農業のカタチだ!新農業システム「CSA」とは?

農業を営んでいる方や、農業に関心がある方は一度は「CSA」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

CSAとは「Community Supported Agriculture」の略で、直訳すると「コミュニティ支援農場」となります。同じ地域に住む農家と消費者が、共に農業の恵みとリスクを分かち合うことを目指して生まれた新しい形の産直システムです。

元々CSAは、日本生まれの農業でした。ところが当初日本では、

①会員の金額負担が大きい

②農作業義務を課せられた

③地域の拡大が難しい

④イメージが暗い

等が原因で、根付いていきませんでした。

ところが、アメリカで普及しだし、その後インターネットの活用で、全国規模で情報を広げながら消費者を募ったり、栽培情報を画像でリアルかつタイムリーに伝えたりしました。

その結果、上記の問題が少しずつ改善され、農業が変わっていくという期待感が高まり、今では、CSAを活用したいろいろな農家が紹介されています。

今回は、日本のみならず世界で広まっている CSA=「コミュニティ支援農場」について紹介します。

転載開始

■農業の新しいカタチ、CSAってなに?

CSAはコミュニティ支援農場という新しい農業の形で、「農家が作って農家が売る」というものではなく、種の購入など、農業に係る生産コストを消費者側が受け持ち、生産者となる農家は生産した野菜などを消費者に分配するという仕組みのこと。

「地域で採れた野菜や穀物は地域で消費する」という地産地消や、地域コミュニティを活性化するという意味でもこのCSAは大きな役割を持っています。

また、CSAには「農業者主導型」「資金提供者(消費者)主導型」「農業者共同型」「農業者消費者共同型」と4つのタイプがあり、それぞれに特徴があります。特に、資金提供者があまり農場に関与しない農業者主導型が増えてきているようです。

 

■CSAを導入するメリットは? 

CSAを導入するメリットは大きく分けて、「生産者側」と「消費者側」の2つです。

生産者側のメリットは、多様な種類の作物を作れることや、消費者の反応がすぐに返ってくることで、生産や販売に関して改善できることが挙げられます。

消費者のメリットは、生産された新鮮な野菜が直接農家から届けられることや、CSAを通じて生産者を知り、安心して野菜などの作物を食べられることがあります。

さらには両者のコミュニティが強まることによって、地域の活性化が図られると共に、様々な相乗効果が生まれます。

農業だけではなく、様々な場面で見かけるようになった「地域コミュニティ」を軸とした取り組み。

農業においても、助け合いの精神の元。日本で生まれる野菜や作物を大切にしていくためにも、このような取り組みが必要になっていくのではないでしょうか。

地域社会で生産者と消費者のそれぞれにメリットがあるCSAは、今後みなさんの生活の中でよく見かけるようになる、そんな日も近いかもしれません。

 

■それでは、CSAを活用した具体的な農園のひとつを紹介したいと思います。 

ここで紹介する農園は、東日本大震災の次の年、震災がきっかけで2012年に開園しました。現在は、農薬化学肥料は使用せず旬の野菜を露地栽培しているしているこだわりの農園です。

では、代表の挨拶から

~タネから食卓へ~

つくば飯野農園

ごあいさつ

私たち夫婦が農業を始めたのは、3.11東日本大震災からちょうど一年後、2012年の春でした。

就農以前、夫は建具職人、妻は大学事務職員でした。 震災をきっかけに生活スタイルや食べものについての意識が変わり、 2012年2月、茨城大学農学部で開催された有機農業のシンポジウムに夫婦そろって出席しました。 各専門家の先生方による講演は大変興味深く、「困難な状況だからこそ敢えて農業に挑戦したい、 農業を生業にしたい!」と方向が決まり、研究学園 都市つくばにて、同年4月より夫婦で全くのゼロから新規就農しました。

そして就農三年目に、長女が誕生。子育てと野菜育ての、忙しくも楽しい生活が始まりました。 子育てを通して、健康的に楽しく生きるためには良質な食べものが重要だと、 より強く考えるようになりました。つくば飯野農園では“質の良いホンモノの野菜”を、ひとつひとつ丁寧に、 “健康に育てる”ことをポリシーとし、 笑顔にあふれた健全ですこやかな地域社会の形成を目指し、日々努力しています。

2013年、生活クラブ生協の“GMOフリーゾーン”(遺伝子組み換え作物が栽培されていない地域)に登録をしました。私たちは遺伝子組み換えに断固として反対をしています。

2015年からは、アメリカ発祥の農業経営システム、CSA-Community Supported Agriculture-(地域協働型の農業、地域支援型農業)という仕組みを日本でいち早く導入しました。CSAを導入することで家族経営の小規模農家は経営安定につながり、地域会員は新鮮でおいしい野菜を地域のお気に入りの農家(マイファーマー)から手に入れることができます。地域と支え合いながら持続可能な農業経営をすることで、地域活性化や農を通したまちづくりにも発展します。

また、2016年からは、国際スローフード協会つくば支部の会員となり、「おいしい・きれい(環境にやさしい)・正しい(公正な)」というスローフードの理念のもと、伝統的な食文化を守るため、美しく豊かな自然環境や生物多様性を守るため、たべものを作る人々の生活と食べるひとの生活・大切な子どもたちの未来を守るため、毅然とした態度で活動をしています。「ホンモノのおいしさ」や「本当の幸せ」は、お金では買えません。何よりも大切なのは、ひとの心、人と人とのつながりです。自分を大切に、家族を大切に、地域を大切にして、健康で楽しく幸せに生きていきましょう!

つくば飯野農園 飯野信行・恵理

以上転載終了

■まとめ

こうやってみますと、CSA農業は、生産者と消費者が共同で農作物を育て、収穫の恵を共に分かちあうというこれまでの生産者、消費者という形を変えています。

同時に、農家収入の安定化によって農業人口の現象に歯止めをかけ、逆に農業の魅力を最大限に引きだしながら、若者の農業人口が増加していくという可能性も秘めています。

現在、健康で安心安全な食の確保という事も世の中ではあたりまえのように叫ばれ、今や、完全無農薬栽培を行っているCSA農業は、まさに時代の申し子といっても過言ではないでしょう。

この間、アクアポニックス、農業高校の活躍、CAS農業と紹介してきましたが、様々な工夫で農業も人も変わって行く。農業の可能性を再認識しています。では、次回もお楽しみに・・・

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2018年08月21日

農業高校の生徒達の活躍 ~彼らの活動の可能性~

第100回の全国高等学校野球選手権大会も今日で終了しました。今年の決勝戦は、大阪桐蔭高校と金足農業高校の対戦。

今年の大会は、決勝戦までのひとつひとつの試合が非常に白熱し、心が熱くなった方々もかなりいらっしゃったのではないでしょうか?決勝戦は、どちらの学校が優勝しても記録に残る試合となりましたが、特に、試合の前から金足農業高校の注目度は、非常に高かったように思います。 

報道でも、野球だけでは無く、普段の生徒達の授業の様子や農業高校同士の交流場面なども紹介され、農業高校の普段の活動の様子を垣間見ることができました。

そこで、今回は、今年活躍している農業高校の事例を紹介したいと思います。

では、転載開始

■心を込めて被災地支援のジュース / 養護学校生と農業高校生が共同制作  

2018年1月12日      青森県立五所川原農林高校 / 青森県立青森第二高等養護学校

青森市の青森第二高等養護学校の2年生がこのほど、青森県五所川原市の五所川原農林高校を訪れ、同校の生徒と力を合わせ、リンゴとニンジンのミックスジュースを作った。ジュースは今月下旬、東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町の被災者に送る。

青森第二高等養護学校は東日本大震災被災地のために何かしたいと、自分たちで育て雪の中で寝かせた「雪ちゃんにんじん」などを送り続けている。2015年からは五農の生徒が育てたリンゴ「ふじ」と合わせたミックスジュースを作り、届けている。

今回はリンゴ果汁30リットル、ニンジン15リットルを混合し、加熱処理してミックスジュースを作った。

青森第二高等養護学校産業科2年生6人が五農を訪れ、同校食品科学科2年生9人と720ミリリットル瓶にジュースを詰めた。

生徒たちはリンゴとニンジンの酸味、甘み、食感を楽しめるジュースを試飲し「おいしい」とうなずきあ合った。五農2年の小野朱音(あかね)さん(16)は「他校の生徒と一つのものを作るのは新鮮」、笠井こころさん(17)は「たくさんの人に飲んでもらい、おいしさを感じてもらえたら」と話した。

また、第二高等養護学校の藤井祐太さん(17)は「被災地の人がジュースを飲んで大変な気持ちを和らげてもらいたい」と願っていた。 

■五農が森林管理で国際認証取得  高校初  

2018年2月1日        青森県立五所川原農林高校

青森県五所川原市の五所川原農林高校(山口章校長)は31日、同校実習林の森林管理について、国際認証「FSC(森林管理協議会)森林認証」を取得したことを明らかにした。同認証は、木材利用と森林保護の健全なサイクルの確立を目指し、民間機関のFSCが、責任ある森林管理が行われている-と認めるもの。審査した民間審査機関によると、高校による取得は初めてといい、同校は「制度を活用して国際水準(の技量)を持つ生徒を育成したい」と喜んでいる。

同校は昨年10月、五所川原市金木町にある実習林(19.7ヘクタール)で民間審査機関「アミタ」(京都)の審査を受けており、31日、同社から認証取得の連絡を受けた。認証は29日付。同社によると、日本の高校にあたる教育機関の取得は世界で初めてという。同校は2020年の東京五輪の施設整備に協力しようと、実習で生産した木材などの提供を目指している。現在建設中の「新国立競技場」などの施設は、既に木材の調達先が決まっており、新たな参入は不可能だという。

ただ、選手の歓迎・交流施設、選手村「ビレッジプラザ」は、全国の木材を集めて建設する計画で、青森県からも県を窓口に県産材を提供予定。同校産木材を活用してもらうことは可能で、FSC認証取得は大きな後押しとなる。

山口校長は取材に「(2015年度から取得している、農産物の安全管理に関する国際認証の)グローバルGAPと、FSCを活用し生徒を育成したい。そして社会に貢献してくれれば」と国際認証取得の効果に期待を寄せた。 

■処分待った!「ひね鶏」をブランド食品に 兵庫県立農業高生が加工品を開発  

2018年2月10日        兵庫県立農業高校

採卵期間が終わって処分するひね鶏(廃鶏)を、地域ブランドの食品にしようと、兵庫県立農業高校(加古川市平岡町新在家)の生徒らが、軟らかいスモークチキンや乾燥肉などに仕上げた。通常の鶏肉より硬いとされるひね鳥の肉を、加古川特産のイチジクと一緒に漬け込むなど工夫。味わいも増したといい、一般向けの販売も検討している。(本田純一)

同校では、飼育している鶏のうち、毎年、約500羽を業者に引き渡して処理している。同校食品科学科は、これらを校内で有効活用しようと、2016年から課題研究の授業で調理法を模索してきた。さらに加古川平成ロータリークラブ(加古川町)から料理器材などの寄贈を受け、地域の特産品となるひね鶏料理を作ることになった。

スモークチキンは、薫製前に鶏肉を漬け込む調味液に、イチジクを加えた。検査の結果、軟らかさが約20%向上し、うま味の成分は約80%増えたという。

生徒らがアイデアを出し合って香辛料の配合を改良し、昨年10月、完成にこぎ着けた。校内での評価は上々。同科3年の男子生徒(18)は「失敗と向き合い、細かい改善を重ねて満足できる味になった。達成感があります」と自信をみせる。

乾燥肉も、イチジクを利用して味の改良に成功した。さらに、粗びきチキンのソーセージ作りも研究。豚の脂や昆布の粉末を混ぜ込み、歯応えのある食感を実現した。

指導する同科の山本邦夫教諭(48)は「生徒たちの試行錯誤で、添加物を使わずにおいしい料理になった。レストランなどで食べてもらえるようになれば」と話している。 

■【高校生グルメ】海の幸を活かしたおにぎらず 「うまいもん甲子園」で優勝  

2018年5月30日        宮城県農業高校

高校生が地元の名産品を活かしたオリジナル料理で競う「第6回ご当地!絶品うまいもん甲子園」で決勝大会に進出した作品の中から、優勝した宮城県農業高校の生徒のチームが開発した「パリッと閖上おにしらす」を生徒の言葉で紹介する。東日本大震災で被災した宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)漁港で水揚げが始まった北限のシラスを炒め、春巻きや海苔で巻いた「おにぎらず」だ。(協力・全国食の甲子園協会)

料理名:パリッと閖上おにしらす

ご当地食材:閖上しらす、梅、大葉、卵、ハチミツ、おこわ、のり

被災した加工業者の言葉からスタート

「もうアイディアがないんだ」。「しらす」を加工している(水産加工業の)鈴栄さんからそう言われたのは2カ月前でした。鈴栄さんは東日本大震災で被災しましたが、昨年から加工を再開しました。若者にも地元食材を知って欲しく、商品開発がスタートしました。 

~しらすの新発想の食べ方を~

苦労したことはしらすの存在感を出すことでした。そのまま、しらすの釜揚げにして、食べた方が美味しいのですが、それでは開発になりません。

しらすの味を活かしつつ、私達らしい発想で面白い食べ方を考えました。海苔を使用して海の幸をふんだんに使いました。

コンビニ商品を目指して、作りやすさと低価格を目指しました(編集部注:「うまいもん甲子園」決勝進出作品はコンビニで商品化される)。「おにぎらず」をベースに作り、外に春巻きの皮と海苔、しそに巻いてからカラッと揚げて外はカリカリにしました。中にはハチミツと醤油でローストした甘じょっぱいしらすをふんだんに入れて、高菜タルタルソースにより、しらすを引きたてています。ごはんのおこわにはカリカリ梅を入れることで食感を加えています。酸味を効かせてスッキリしていますので是非ご賞味ください。

以上転載終了 

★まとめ

こうやって、農業高校の活躍の事例を見てみますと、活動の内容はかなり多岐に渡っています。

彼らの「自然を大切にし、人のためにいろいろなアイディアを駆使しながら、提案する対象へのあくなき向上心」そして、この活動は、「仲間と共にある」という様子が見てとれます。

人類は、これまで、本能→共認→追求→観念(言語 )という機能を使って自身を取り巻く環境に適応(進化)してきました。

農業高校の生徒達は、毎日の活動が、五感(本能)を使った活動に接していますし、仲間と共に人のために 対象に向かって日々追求しています。

まさに、人が有している機能をフル回転。農業高校の生徒達の活躍 ~彼らの活動の可能性~ をこれからも期待し、注目していきたいと思います。

では、次回もお楽しみに・・・・

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2018年08月17日

農業分野への外国人「派遣」労働

農業界の人材不足を、「外国人労働者」、しかも「派遣」で解決する。

派遣会社以外の誰が、得するんでしょうか?

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2018年08月15日

アクアポニックス ~廃墟ビルで魚と野菜を同時に育てる、オランダで見た農業のカタチ 

■前回は、アクアポニックスの歴史について紹介しました。今回は、このシステムを使って事業化しているオランダ事例を紹介したいと思います。

転載開始

新しい農業に触れる“テーマパーク”のような施設

 

今回はそのプロジェクトを推進しているヨーロッパ最大級の都市型農業施設「Urban Farmers」を取材してきました。
アムステルダムから車で1時間ほど行った郊外の都市、ハーグにある「Urban Farmers」。もともと使われていなかった廃墟ビルを市から供給してもらい、屋上のグリーンハウスで野菜を、ビルの一室では魚を育てています。ビル内のショップではとれたての野菜や魚が販売されており、カフェではそれらを味わえるメニューが展開されています。さらにファームを見学する体験ツアー、音楽祭、子供のワークショップ、ヨガなどのイベントも行っており、まるでテーマパークのよう。地域の住民がワイワイと集まりながら、気軽にアーバンアグリカルチャーを体感することができます。

 

ただ食料問題に取り組んだり、最新のテクノロジーを駆使して野菜や魚を育てるだけではなく、地域の人々とコミュニティを醸成しながら社会課題を解決していくのが、この「Urban Farmers」の魅力です。■部屋の中に突如現れる巨大な水槽ビル内の大きな部屋の中には巨大な水槽があり、中にはたくさんの魚が泳いでいます。ティラピアという種類で(日本ではイズミダイ)、臭みもなく非常に美味しい白身魚で、オランダではよく食されているポピュラーな魚の一種です。成長を促すホルモン剤などは与えず、植物由来の餌を使用し、安全で健康に発育するように配慮しています。

 

水槽の奥には黒いプラスチック材を詰め込んだ水槽があり、そこで魚の排出物に含まれるアンモニアを微生物が分解し、植物の養分となる水を作り出します。植物の養分となる硝酸塩を含んだこの水は屋上のグリーンハウスに送り込まれ、そこで野菜の成長を促すために使用されるのです。

 

ビルの屋上にあがると、そこには大きな水耕栽培のグリーンハウスがあります。レタス、きゅうり、トマト、なすなど20種類近くの野菜が育てられ、とてもビルの屋上とは思えない風景が広がっています。水耕栽培は草むしりや水やりなどの必要がなく、虫もつきにくいということで、環境負荷が非常に低いことが特徴です。

 

植物が栄養を取り込み綺麗に浄化された水は、ビル内の魚が泳ぐ水槽に戻され、再利用されます。このように魚養殖と水耕栽培を融合させた循環型の農業を「アクアポニックス」といい、地球にもっとも優しいシステムとして世界的に注目を浴びています。水は循環させているので換える必要がありませんし、魚のフンを栄養分として使うので肥料も必要ありません。また農薬を使っていないので(魚が死んでしまうので当然といえば当然)、完全なオーガニックを実現。都市部のビルで生産が可能なので、フード・マイレージもかなり抑えることができます。

 

■とれたての野菜を洒落た併設カフェで

 

グリーンハウスに併設された開放的なカフェスペースでは、とれたての野菜やそれらを使った料理、コーヒーやビールなども提供されていて、ゆっくりくつろぎながら新鮮な食材を楽しむことができます。実際に野菜を注文しましたが、どれも新鮮そのもので本当に美味しい! ビルを巡り生産過程を見てきたばかりなので「安心、安全」という精神的な満足度も高まります。

 

今後はビル内に本格的なレストランやホテルを作る計画もあるなど、よりエンターテイメント性の高い施設に成長させていくそうです。ショップではオリジナルのトートバッグやエプロンなどのグッズも販売されているのですが、どれもお洒落。ロゴやパンフレット、空間デザインなど、すべてのクリエイティブレベルが高いのも「Urban Farmers」の特筆すべきところです。

 

まるでテーマパークに来たかのような楽しい時間を過ごしながら、最新の農業や食について学ぶこと(子供の食育にも最適)ができる。そして適正なプライスで安心・安全な食材を手に入れ、地産地消も実現し、地球にやさしい暮らしができる。本当に良いことづくしのプロジェクトです。もちろん海や川で獲れた魚、大地で育った野菜を食したい……という気持ちもあるかと思います。ただ、都市部では農地を確保するのが難しく、魚も野菜も地産地消されない限り、輸送によって環境に負荷がかかります。さらに大地で育った野菜であっても、農薬や化学肥料を大量に使っている場合もあり、何が人々や環境に優しくて、何が優しくないのかという判断は、一側面だけでは判断できません。Urban Farmersのようなアーバンアグリカルチャーのプロジェクトを通して、自分たちが食しているものがどのように作られ、運ばれ、販売されているのかを知り、少しでも環境負荷の少ない選択をする人が増えれば、サステナブルな社会の実現にほんの少し近づけるのではないでしょうか。

 

☆さて、話しは前後しますが

 

フード・マイレージという言葉を聞いたことはありますか? フード・マイレージとは「食料の(food) 輸送距離(mileage)」という意味で、食料の生産地から食卓までどれだけ距離が離れているかというのを測る指標です。当然、輸送距離が長ければエネルギーを消費し、環境への負荷が大きくなります。ちなみに日本の総量は9002億で、アメリカの2958億やフランスの1044億と比べて、群を抜いて大きいのだとか……。日本でも「地産地消を意識しよう」「食料自給率を上げよう」などと言われて久しいですが、マクロの視点で見るとまだまだ輸入が多く、とんでもないエネルギーを消費している事実は当面変わりそうもありません。なんとか地産地消を進め、食料自給率を上げ、地球にやさしい国に転換していきたいところです。

以上転載終了

 

■最後に

前回、今回と水を循環させて、無駄をなくすと言う事でアクアポニックを紹介しましたが、将来、日本では人口が減少していく中にあって、特に、都会ではビル本来の利用ができずに、ゴーストタウン化していくとう懸案も現実味を増してきました。

農業用地のない大都会で野菜や魚を育て、地域の人たちに供給しようという“アーバンアグリカルチャー”の試み。

 

今回紹介したオランダの廃墟ビルで野菜と魚をオーガニックで育てる「アクアポニックス」というプロジェクトは、空きビルの再利用することによって、地産地消型の農業、食料自給率の上昇、輸送距離▼によるのエネルギー消費の低減といったこれまでの問題を逆転できそうな可能性を秘めています。

 

この、新しい農のかたちが、将来、人々の意識や生産活動の形を根本的なところから変えていく力があるかもしれません。それでは、次回もお楽しみに・・・

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2018年08月02日

アクアポニックス  循環型農法の軌跡を1000年前から振り返る

前回、「新しい農のかたち」 ということで、アーバンファーマーズクラブ を紹介しました。

彼らの活動は、屋上に、野菜をつくるというところから始まりました。

 

さて、屋上緑化や、屋上庭園を設置する場合、軽量人工土壌という特殊な土壌がよく使われます。

何故か?

重さが土の約半分のため、建築物に対する荷重負担を低減できることが大きな理由です。また、自然の土と比べ汚れにくく、工期的に雨に影響されず施工できることも理由のひとつです。

 

この軽量土壌は、通常の土より厚さが薄くても植物は育ちます。また空隙率が高いため、乾きやすい性質があります。一方で、植物の根腐れを起こさせないために、この土壌下部のプラスチックのパレットには、水が落ちる穴をいくつも開けておく必要があります。

なので、植物の成長に欠かせない「水」(※普通は、水道水)が、大量に必要になります。そして、システム上、水の供給量は、植物の成長に必要とされる量より、過剰気味になるのが一般的です。

 

要は、屋上に緑化を構築することは、大きなプランターの中に植物を成長させることと同じで、プランターの底から溢れるように、植物に水やりを行うことからも想像がつくと思います。(※溢れた水は、下水道に排水されます。もったいない・・・・)

 

☆さて、この大量の水を、ただ、排水させるのではなく、循環させて利用することはできないものだろうか?

 

そんな中、農業用地のない大都会で野菜や魚を育て、地域の人たちに供給しようという“アーバンアグリカルチャー”の試みが、世界で注目を集めています。

「コミュニティ・ファーム」や日本でも増えている「貸し農園」などが一般的ですが、オランダでは廃墟ビルで野菜と魚をオーガニックで育てる「アクアポニックス」というユニークなプロジェクトが行われています。

 

さて、このプロジェクトを紹介する前に、この施設のルーツとなった、アクアポニックスというシステムを今回は取り上げたいと思います。

野菜や魚を育てながら、水を循環して利用するという画期的なシステム・・・・・

 

アクアポニックスとは?

 

~最も地球にやさしい農業~

 

アクアポニックスは、水産養殖(魚の養殖)と水耕栽培(土を使わずに水で栽培する農業)を掛け合わせた、新しい農業。魚と植物を1つのシステムで一緒に育てます。魚の排出物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収、浄化された水が再び魚の水槽へと戻る、地球にやさしい循環型農業です。

 

~アクアポニックスの歴史(古代〜現代)ーー循環型農法の軌跡を1000年前から振り返る~

 

魚と野菜の生産を組み合わせ、ひとつの統合システムにするというアイデアは、実は新しいものではありません。統合された水産養殖の先例としては、メキシコの「チナンパ」と呼ばれる農法や、アジアの一部に広がる水田システムが含まれ、古代から存在していました。

しかし、私たちはどのようにこれらの古代技術を知り、現代の(庭にも置けるサイズの)バックヤードアクアポニックスまでたどり着いたのでしょうか?

◆ルーツは1000年前

「アクアポニックス」という言葉は1970年代に誕生しましたが、そのルーツは古代にまでさかのぼります。ただ、最初の発生時期については未だ議論が続いていて、はっきりはしていません。

最も古い事例のひとつは、低地に住んでいたマヤ族、それに続いてアステカ族が行っていた、河の表面につくった”いかだ”上で植物を育てる農法です。今から1000年ほど前の、西暦1000年頃だと言われています。

メキシコ原住民族のアステカ族が、「チナンパ」と呼ばれる”浮き島”上で植物を育てる技術を生み出し、これが農業用途のアクアポニックスとしては最初の形であると言われています。

チナンパは、運河と人工的に作られた浮き島との繋がりで形成され、浮き島の栄養豊富な泥と運河からの水をつかって作物が栽培されていました。

初期のチナンパでは、植物の栽培場所は、浅い湖に浮かんだ固定(ときには移動も可能)の島。運河や周辺の都市から栄養豊富な水が流れこみ、それを灌漑に利用していました。

 

~水田栽培 – 古くからあった”循環”

 

もうひとつの古い事例が見つかるのは、中国南部、タイ、そしてインドネシア。ここでは、魚を用いた水田栽培が行われていました。この農法は、多くの極東地域の国々でも存在し、東洋ドジョウ、タウナギ、コイ、フナ、そしてタニシなどが水田で育てられていました。古代の中国では、畜産・水産・農産が統合されており、そこでは、アヒル、魚類、植物が共生関係の中で一緒に育っていました。アヒルは、かごの中に収容された状態で魚の池の上に配置され、その老廃物は魚のエサに。さらに低い位置の池では、魚の池からあふれた老廃物を食べて育っているナマズが泳いでいました。そしてシステムの最下部では、ナマズの池からあふれた水が、米と作物の灌漑に使われていたのです。

 

◆現代のアクアポニックスの発展

「アクアポニックス」という用語は、「ニュー・アルケミー・インスティテュート」と、ノースカロライナ州立大学のマーク・マクマートリー博士の様々な研究に起因します。

ジョンとナンシー・トッド、ウィリアム・マクラーニーは、1969年に「ニュー・アルケミー・インスティテュート」を設立。彼らの努力の集大成は、バイオシェルター「Ark」(箱舟)のプロトタイプ建設でした。

「Ark」(箱舟)は、総体的に技術を適用したソーラー発電式の自給自足バイオシェルターで、4家族が1年間に必要とする魚、野菜、そして住まいを提供できるものとしてデザインされました。

これと同じ頃の1970年代には、養殖システム内で植物を自然のフィルター(ろ過機能)として活用する研究が始まり、そのなかでも特に注目されたのが、バージン諸島大学のジェームズ・ラコシー博士によるもの。

1997年にラコシー博士とその同僚は、水耕栽培で一般的に使われる「Deep Water Culture」と呼ばれる方法(水に浮く板に穴を開け、植物はその穴から水中に根を生やす)を、大規模なアクアポニックスシステムに用いました。

一方で1980年代には、マーク・マクマートリー博士とダグ・サンダース教授が、世界で最初の閉鎖型(循環型)アクアポニックスシステムの開発に成功します。

このシステムでは、魚の水槽から流れ出た水が、砂が敷き詰められた育成タンクに植えられたトマトやキュウリの肥料となり、タンク自体もフィルターとして機能。タンクからあふれ出て濾過された水が魚の水槽に戻り、再循環が実現されていました。

マクマートリー博士の研究によって、アクアポニックスの背景にある多くの科学が実証されたのです。それは、しっかりと機能したのですから。

 

◆商業用システムの登場

世界で最初の大規模商業アクアポニックスの施設は、マサチューセッツ州アマーストにあるバイオシェルター。完成したのは1980年半ばで、今も現役で動いています。

その後の1990年代初頭に、ミズーリ州の農家、トムとポーラ・スペラネオが「Bioponics」という概念を提唱。彼らは、2200リットルの水槽にティラピア(ズスキの一種、和名は”いずみ鯛”)を泳がせ、そこから流れ出る栄養豊富な水を利用して、砂利を敷き詰めた循環型の育成タンクで、ハーブや野菜を育てていました。

砂利の育成タンクは、水耕栽培の農家の間では何十年も使われていたものでしたが、それをアクアポニックスにうまく適用したのは、スペラネオ達が初めてでした。彼らのシステムは実用的かつ生産的だったので、様々な地域で広く再現されていきました。

カナダにおいても、1990年代にアクアポニックスシステムの設置が増加。商業システムとして圧倒的に多かったのは、より価値の高いマス(鱒)やレタスなどの作物を生産するものでした。

 

◆続き

このように、アクアポニックスは、都市農業に欠かせないシステムになる可能性があります。

昨今の日本を襲う猛暑による水不足による野菜の不安定な供給状況も、このシステムを採用することで、いくらか改善されるかも知れません。

さて、次回は、最近のアクアポニックスのシステムを採用した事例を紹介します。お楽しみに・・・

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2018年07月24日

都会における人と植物の共存 

東京では、一定規模の建築を新築する場合は、建物の屋上に緑地の確保を義務づけられています。これは、ヒートアイランド緩和のために、東京都が定めた条例です。要は植物の葉っぱからの水分の蒸発散機能を生かして気温を下げようという発想です。

ところが、条例にもかかわらず、手続きをしなかったり、緑化がスペース的に確保できないという理由から、屋上に緑地を確保するという東京都の計画の目論見が実現できない状態が、十数年続いています。

何故か? 理由は植物の維持管理です。植物は植えた後、水やり、施肥、草取り、剪定等という管理が発生します。樹木を健全に育てるためには、人力でこの管理を行う事が必要で、規模が大きくなるとかなりの費用がかかります。事業者は、このお金を生まない維持管理費を何故支払い続けなければならないのか?という疑問から、計画しないで済むならしないという意識になっていることが基本的な理由です。

そういう意味では、これから紹介する記事は、逆の発想から生まれた活動と言えるでしょう。「都会における人と植物の共存」:農という形を通じて、本来、人の五感が喚起できる空間を自ら作り出すという発想です。

 

マイナビ農業からの紹介記事です。(2018年4月3日

■都会の農業を活性化。アーバンファーマーズクラブが結成

「渋谷の農家」の小倉崇さんを代表として、東京で「アーバンファーマンズクラブ」が結成されました。都市での農業の活性化を目的として設立された団体です。今までも渋谷の人々を巻き込んできた小倉さんですが、今回も東京で暮らす人々とともに農業を行うことが目的です。都会に住みながら少しでも農業に触れたいという人、農業を通じて人と関わりたいという人にとって絶好のチャンスとなるかもしれないアーバンファーマーズクラブについて、紹介します。

■アーバンファーマーズクラブとは

「東京都渋谷区、ライブハウスの屋上生まれ」の野菜があったら、食べてみたいと思いませんか?編集者である小倉崇(おぐら・たかし)さんは、出版や広告の仕事をしながら農業への情熱を持ち、2015年に渋谷のライブハウスの屋上に農園をオープン。ラブホテル街のど真ん中にあるライブハウスで野菜の栽培を始め、その姿は「こんな都会でも農業ができるのだ」と新たな可能性を感じさせてくれました。

ライブハウスの仕様が変わったことで農園は閉鎖してしまいましたが、小倉さんを中心とした新たな団体が設立されることが、2月に行われたトークイベントのなかで発表されました。

その名も「アーバンファーマーズクラブ」(Urban Farmers Club)。「渋谷の農家」である小倉さんを代表として、都会での農業を活性化させる団体です。

「自分で食べる野菜は自分で育てる」というコンセプトのもと、渋谷エリアを中心に「アーバンファーミング」を推し進めます。例えば、東急プラザ表参道原宿の屋上や恵比寿ガーデンプレイスの一角で地域の人々と一緒に農業をしたり、種の配布をすることでベランダなどでの家庭菜園を増やしたりと、広大な農地があるわけではない東京ならではの農業を模索します。現在は畑の準備を進め、今後イベントを開催したりと活動を広げていきます。

■アーバンファーミングを活性化させる目的

アーバンファーマーズクラブのこれからの活動には、4つの目的があります。

(1)農業を通じて地域活性化する

アーバンファーマーズクラブは、地域の人々を巻き込んで活動していきます。地域に暮らす人々とひとつの畑で食べ物を育てるという行為そのものも地域の人同士の交流を促しますが、その後の効果にも注目します。野菜を育て収穫したあと、採れた野菜を近隣の人にお裾分けしたり、自分の作った野菜で料理を振る舞ったりと、農業をきっかけにコミュニティを広げます。

(2)野菜を自分で育てて食育につなげる

都会で育つ子どもは、もしかしたら野菜がどのように育つか見たことのないまま、知らないまま野菜を口にしているかもしれません。自分が口にするものがどうやって生まれてきたのかを知るには、自分で作ってみるのが一番。アーバンファーマーズクラブでは、農業を通して野菜をもっと身近に感じる食育が出来たらよいと、子ども向けのプロジェクトも考えています。

(3)農園を増やして環境対策に貢献する

アーバンファーマーズクラブの舞台は渋谷エリアです。例えば渋谷駅周辺は谷底になる地形になっており熱気がたまりやすく、ヒートアイランド現象が起きています。これを改善させるには、緑を増やすことが効果的です。渋谷の屋上やベランダで農園を作ることで、環境に良い影響を与えることが望まれます。

(4)食料自給を考える

小倉さんは東日本大震災のとき、食料をどうするのかということを改めて考えさせられたそうです。震災が起きライフラインが遮断されれば、他地域からの食料の調達はすぐには望めないまま、食料の買い占めも起こるといった状況になりかねません。「自分で食べる野菜は自分で育てる」という考えには、震災で感じた危機感も影響しています。

■2020年までに2020人のアーバンファーマーを

小倉さんはイベントのなかで、ニューヨークやロンドンでの例を挙げながら、都市農業の可能性を話しました。たとえば現在ニューヨークでは、屋上農園が話題です。とある農園付きの人気レジデンスでは、住人は農園で作物を育てるだけでなく、ワークショップや食事会に参加することができ、家賃が高いにも関わらず入居希望者は絶えないのだとか。ロンドンでは、2012年のオリンピック・パラリンピックまでに2012か所の農園を作ることを目指した結果、現在2700以上の農園があります。80トン以上の食料を生み出し、市民のコミュニティ作りにも寄与し、まさにレガシーと言えるでしょう。

2020年のオリンピック・パラリンピックを控えた東京にとっても、「都市農業」はキーワードとなりそうです。アーバンファーマーズクラブでは、2020年までに2020人のアーバンファーマー(市民農家)を誕生させ、2020カ所のアーバンファーム(市民農園)を開設することを目標にしています。

2020カ所のアーバンファームには、ベランダなど、あなたがこれから始めるかもしれない小さな農園も入ります。アーバンファーマーズクラブの活動に興味を持った方は、ウェブサイトにて仮入部を受け付けています。これから期待が高まるアーバンファーマーズクラブの活動。まずは仮入部してみてはいかがでしょうか。

アーバンファーマーズクラブ URL  フェイスブック

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2018年04月24日

グリーンインフラとは何か?

昨今、グリーンインフラという言葉が、建築・土木業界を中心に浸透しつつありますが、どういう概念なのでしょうか?

今回は、そもそもグリーンインフラとは何か?そしてグリーンインフラと農業の関係について追求していきたいと思います。

グリーンインフラとは?

グリーンインフラ研究会【リンク】の中村委員長の「ごあいさつ」からの引用です。

「自然の恩恵」が持つ可能性を追求し、様々な社会的課題の解決をめざして
南北に長く連なり、起伏に富んだ地形や、国土の大半を占める森林、多様な動植物を育む豊かな生態系-。わが国では、はるか昔から生活の中に「自然の恩恵」を柔軟に取り入れてきた歴史があります。こうした自然力を積極的かつ、有効に活用する社会資本整備や土地利用、防災などの取り組みを「グリーンインフラストラクチャ―(グリーンインフラ)」と呼びます。私たちは、人口減少や気候変動など社会的・自然的な条件が大きく変わろうとする今、わが国の社会的課題の解決に向けて、グリーンインフラの「可能性」を追求します。そして、行政、企業、大学、市民団体等との協働のもと、様々な研究や提言を進めてまいります。
以上、グリーンインフラ研究会運営委員委員長 北海道大学教授 中村太士

ポイントは、
「自然力を積極的かつ、有効に活用する社会資本整備や土地利用、防災などの取り組み」となります。
では、具体的にどのような取り組みがななれているか?参考事例を見てみましょう。

鹿島建設さんのHPからの事例【リンク5】です。

■屋上水田
都市部で整備されている市民農園の数は年々増加し、特に人口密度の高い地域でのニーズが高まってきています。しかし、菜園と比較して体験型の水田はほとんど整備されておらず、市民が稲作に関わる機会は非常に限定的となっています。鹿島は都市部のビル屋上を利用する屋上水田の提案を進めています。多くの人の目に触れる場所に水田を整備することで、トンボやメダカなど多様な生き物を観察することができます。また、農的景観を再生し稲作参加者間のコミュニケーションの場として屋上空間を有効に活用できます。さらに、ビル内の温熱環境改善、雨水の有効利用なども可能となります。
~中略~
ビル屋上などにある水田は、防水層を痛めるリスクがあるため機械を用いる作業の実施が困難であり、また、稲の刈り株などのゴミの処理が課題となります。鹿島はNPO法人雨読晴耕村舎と連携し、不耕起稲作と呼ばれる栽培手法を採用しました。これにより、代掻きなどの耕転を必要とせず、また刈り株などの廃棄物が発生しない維持管理が可能となりました。冬期は緑肥としてレンゲを播種し、水田からの土の飛散を防止するとともに、昔懐かしい農村景観を再現しています。

■稲作体験教室(屋上水田)
機械や化学肥料を使わず、レンゲを活用した昔ながらの農法を体験し、食料生産の場であり、生き物の棲み家でもある水田の多面的な機能を学習します。食への関心、身近な自然環境への関心を引き出すことに加え、共同で行う農作業の中で、様々な職能・立場の人とのコミュニケーションを通して、地域社会とのつながりを学ぶことができます。
以上転載終了
この事例では、都会の真ん中で農業ができるという事です。単に作物の収穫という事では無く、農を通じて自然も人も新しい関係で繋がっていきます。さて次回は、他の事例を取り上げてみましょう。

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2018年01月02日

『微生物・乳酸菌関連の事業化に向けて』-46 ~微生物の起源-28 生命の起源をさぐるのは~

★芽生え

新年おめでとうございます。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

当ブログでは、この2年ほど、微生物の起源≒生命の起源を探ってきました。

それは、微生物の起源が掴めれば、人類だけでなく、あらゆる生命を救う手立てが、その本質が見い出せるのではないか。との思いが根源にあるからでした。

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2018年01月01日

過疎地発、教育イノベーション

みなさま、新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

無題

 

地方創生と叫ばれながら、現実には人口流出、過疎化に悩む地域は後を絶たない。

しかし、そんな逆境を逆手にとり、豊かな自然や地域のつながりを強みに、”過疎地発の教育イノベーション”を起こそうとしている人たちがいます。

本来、教育に求められているのは、「お勉強」ではなく、「いきいきと生き抜く力」を育むこと。
常識にとらわれない、豊かな発想に基づく彼らのチャレンジを紹介します。

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